ひとりごと


2002年5月16日

日本人の責任の取り方?【その1】

 ここ数ヶ月、大物政治家や大銀行の不祥事が起き、辞任する方やしがみつく方いろいろと存在するが、数日ばかり前に 気になった記事があったので管理人自身のことも含めコメントしたい。

 というのは2、3日前に4頭目の狂牛病【いわゆるビーエスイーのこと。】に関連しその発病しているウシを診断した 獣医さんが自分が診た時点で発見されなかったことに責任をとって自殺されてしまったことだ。我々病人にとって健常な 方が自ら命を奪ってしまうことに対して非常に心ぐるしく思う。冥福を祈りたい。

 この世の中自分の始末もできない人が増えている中、そこまでする必要があったのであろうか。死んでしまった彼女の 心の中は他人がとやかく言えるものではないが、保健所勤務の獣医さんにその時点で診断できるだけの環境はととのっていたので あろうか。まず1つめの問題点として日本での獣医さんの勤務環境である。普通の方は獣医さんといえば動物のお医者さんで 高い給料をもらってベンツでも乗り回してといったような感覚を持っているかもしれないが僕の知る限りそんな人はひとにぎり にすぎない。公務員の獣医さんは新卒で普通に大学院の修士課程を出た人の給料と同じである。つまり免許もっていても あまり優遇はされていない、これは薬剤師である管理人も同じであるが、類推するに給料の優遇がないということは 十分に予算を持って研修されていないということが考えられる、予算がないとどうなるかということを簡単に説明すると 最低限必要と考えられる費用のかかるエライザ法等用いた検査ができないと考えるからだ。ここでいうエライザ法とは異常ブリオンに 反応するモノクローナル抗体に標識をつけ、もし異常プリオンが存在すれば高感度で試薬が発色し狂牛病の診断が 確定するというわけだが、この高感度は好感度ではなく100パーセントとはいえず非常に近い格好のタンパク分子まで 陽性としてしまうからだ。この第一次検査は検査のなれによる誤差は大きいといえる。【管理人は修士論文の実験において エライザ法による実験を多く行っている経験がある】、それにすでに発病してふらふらのウシならまだしも初期段階に おいては脳、髄液等からしか検出されないのであれば白血病患者おなじみのルンバールで髄液を採取するしかないからだ。 以上によって十分研修はされていなかったと思われる。

 次に、診断は誤診だったか否かである。我々の場合、調子が悪くなって医院にかかってどれだけの人が初めの病院で 白血病が発見されるのかどうかというと初めの病院で見つかるのは稀で4番目にかかった病院でやっと見つかったという 人もいた。白血病の発症率は約2万5千人に一人であるがそうすると仮に岐阜市を例にとると人口約40万人中16人が発病する 計算となる。とすると白血病を今まで診たことがない医者があっとう的におおいのではないか。ましてや先の獣医さんらが 狂牛病を診たというのはないに等しいのではないか、いくら専門家といえども彼女を責めることができるのか疑問である。

 以上白熱してしまって長文を書いてしまったのだが、僕たちのように必死で生きたいと思っている人がいるので 死にたいと思った人も、親にもらった命を是非大切にしていただきたい。


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